フロントエンドとバックエンドの違いとは?

システム開発は、フロントエンドとバックエンドの両面から行われます。

フロントエンドとは、Webサイトやアプリにおいてユーザーに表示される画面や操作画面のこと。バックエンドとは、ユーザーには表示されない機能やデータベース、サーバーなどのことです。

ここからは、フロントエンド開発とバックエンド開発の違いについて詳しくお話します。

役割の違い

フロントエンド開発は、主にユーザーが見る画面のデザイン性・見やすさ・操作性に関する開発を担います。フロントエンドはユーザビリティの向上にも大きく繋がるため、システム開発においてとても重要です。

一方バックエンド開発は、Webサイトやアプリのサーバー側であるシステムやデータベースの構築をする役割です。会員情報・セキュリティなどが該当します。

ユーザーは普段何気なく表示されている画面を見てシステムを操作していますが、こうしたバックエンドの仕組みがなければ、Webサイトやシステムは成り立ちません。

プログラミング言語の違い

主にフロントエンド開発で使用する言語は、以下の通りです。

  • HTML:Webページ作成に欠かせない言語
  • CSS:Webページの見栄えやスタイルを作るために必要な言語
  • JavaScript:Webページに動的なデザインを入れる場合に使用される言語

特にCSSは見栄えを整えるための言語なので、フロントエンドエンジニアには欠かせないスキルだと言えます。

主にバックエンド開発で使用するプログラミング言語は、以下の通りです。

  • Java:汎用性が高くデスクトップ向けアプリやAndroid向けアプリ、金融機関の基礎システムやカーナビなどの開発で活用されている言語
  • Ruby:Webアプリやスマホアプリの開発で使われることの多い日本で誕生した言語
  • PHP:問い合わせフォームやECサイトのショッピングカート、動的なコンテンツ作成に適している言語

このように、フロントエンドとバックエンドでは、求められるプログラミングスキルや知識に大きな違いがあることがわかります。

セキュリティシステムの違い

フロントエンドでは、主にユーザーが受ける可能性のある以下のセキュリティリスクを対策するためのシステムを構築します。

  • 通信データの暗号化
  • 通信相手の検証
  • 通信データの改竄チェック

また、httpsによる安全通信の確保なども行います。

バックエンドでは、不正なデータ操作や不正認証、データベースの改竄、情報漏洩などの対策として、主に以下のセキュリティ対策をします。

  • データの暗号化
  • セキュリティパッチ適用
  • アクセス制御

フロントエンドとバックエンドでは、扱うデータや懸念されるセキュリティリスクも違うため、構築するセキュリティシステムにも以上のような違いがあります。

システム開発の流れの違い

フロントエンドとバックエンドは、役割や使用するプログラミング言語以外にも、システム開発の流れが違います。

ここでは、それぞれのシステム開発の流れの違いを解説します。

フロントエンドの場合

フロントエンドの場合、主に以下の流れでシステム開発をします。

①画面全体の初期設定
ー ユーザーが見る情報や機能などを決定します。ここでサイトマップも作成します。

②画面コンポーネント定義
ー ページやアプリのページで共通する、ボタン・ナビゲーションなどの要素を定義します。

③アクションやレスポンスの定義
ー ボタンをクリックした時の動作や反応速度など、ユーザーのアクションに応じたレスポンスを定義します。

④HTML・CSSによるマークアップの実装
ー HTMLを使ってWEBページの全体構造を立ち上げ、CSSでデザインします。

⑤JavaScriptによる実装
ー JavaScriptなどを使い、動的な処理をします。

⑥ブラウザ上での検証
ー ブラウザで検証を行い、不具合や不備がないか確認します。

検証の際は、最初に定義した通りの画面が表示されているか・正しく動作するか・ユーザー目線で使いやすいシステムになっているか などを確認することが大切です。

バックエンドの場合

バックエンドでは、主に以下の流れでシステム開発をします。

①要件定義
ー クライアントにヒアリングを行い、解消したい課題やシステムに求める機能を決定します。

②基本設計
ー システムの大まかな設計図を作成します。

③詳細設計
ー 基本設計を、エンジニアが作業できる段階まで詳細に落とし込みます。

④機能実装・開発
ー 詳細設計に基づいてプログラミングを行います。

⑤テスト
ー 実際にサーバー上で動かし、動作確認をします。問題なければリリースします。

バックエンドエンジニアは「リリースしたら終わり」ではありません。リリース後も保守・運用を継続的に行う必要があります。

フロントエンド・バックエンド開発に必要なエンジニアとは?

フロントエンドの開発とバックエンドの開発では、それぞれ役割や求められるスキルが違います。そのため、システム開発でエンジニアを確保する場合は、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアが必要です。

ここからは、フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニア・フルスタックエンジニアの役割とスキルを解説します。

フロントエンドエンジニアの役割とスキル

フロントエンドエンジニアの役割は、Webサイトやアプリでユーザーが直接見て操作できるUI(ユーザーインターフェース)の設計・実装です。

具体的には、HTMLやCSSを用いてWebページやアプリを立ち上げ、デザイン・動作を考案したり、JavaScriptを使って動的なデザインを実装したりします。

そのため、以下のようなスキルが求められます。

  • HTML:Webページ作成に欠かせない言語。Webページのレイアウトや要素を配置するために必要です。
  • CSS:Webページの見栄えやスタイルを作るために必要な言語。色やフォント、レイアウトを設定して視覚的な魅力をユーザーに提供するために必要です。
  • JavaScript:Webページに動的なデザインを入れる場合に使用される言語。リアルタイムでの情報更新ができ、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上にも必要です。
  • フレームワーク・ライブラリを扱えるスキル:フレームワークやライブラリを扱えるスキル。効率的なコードの記述やコンポーネントの再利用を可能にするために必要です。
  • テスト・デバックのスキル:主にJavaScriptのテスト・デバックができるスキル。実装した動的デザインの不具合やバグを修正するために必要です。
  • レスポンシブデザイン:スマホ、PC、タブレットなどの異なるデバイスや画面サイズに対応するレスポンスのデザインを行うスキル。どのデバイスからでも使いやすくするために必要です。
  • ブラウザ開発ツールを扱えるスキル:ブラウザ開発に必要なツールを扱えるスキル。デバックやサイトパフォーマンスの最適化のために必要です。
  • バージョン管理システムのスキル:バージョン管理システムを扱い業務効率化するスキル。プロジェクト管理やチームで協力して開発を進めやすくするために必要です。
  • プロジェクト管理:業務の優先順位やスケジューリング、チームでのコミュニケーションなどのスキル。効率的にプロジェクトを進めるために必要です。
  • コミュニケーションスキル:チームでのコミュニケーションや進捗管理、非エンジニアへのわかりやすい説明のためのコミュニケーションスキル。スムーズにシステム開発を進めるために必要です。
  • パフォーマンスの最適化の知識:Webページやアプリの読み込み速度の最適化、UXの向上のための知識、SEOや集客を最適化させるための知識。サイトやアプリを快適に使えるようにするために必要です。

バックエンドエンジニアの役割とスキル

バックエンドエンジニアの役割は、サーバーやデータベースの構築・ハードウェア選定・リリース後の保守・運用など、ユーザーが直接見て操作できないシステムの裏側を開発することです。

そのほかにも、ユーザーのデータを安全に保護するために必要なセキュリティ対策やシステム障害やバグの原因特定・修正などを行う役割があります。

そのため、バックエンドエンジニアには、以下のようなスキルが求められます。

  • プログラミング:バックエンド開発で必要なJava・Ruby・PHPなどのプログラミングスキル。サーバーサイドの処理を行うために必要です。
  • フレームワークの知識:アプリ開発を効率化させるために必要なフレームワークを扱えるスキル。開発工数の削減のために必要です。
  • データベースの知識:バックエンド開発で大切なデータ保管・取扱のために必要な知識、SQL、NoSQLデータベースの知識。バックエンド開発やテーブルの構造、データ取得のために必要です。
  • APIの設計・開発:APIを設計・開発できるスキル。フロントエンドや外部サービスとの連携を実現するために必要です。
  • セキュリティ対策:セキュリティリスクを防止するためのスキル。個人情報保護や不正アクセス、情報漏洩、データの改竄などを対策するために必要です。
  • テスト・品質管理:開発したシステムをユニットテストや統合テストにかけて、正確性や安定性を確保するスキル。システムが正常に動作するか確認するために必要です。
  • サーバー設定・運用:サーバーの設定・運用を行うスキル。インフラエンジニアと分業されるケースの多い分野だが、バックエンドエンジニアでもサーバーの設定や運用を行うため必要です。
  • バージョン管理システムを扱えるスキル:バージョン管理システムを扱えるスキル。プロジェクト管理やチームで協力して開発を進めやすくするために必要です。
  • 問題解決能力:プロジェクトで発生したトラブルを解決させるスキル。システム障害やエラーの原因特定や修正、デバックをして解決させるために必要です。
  • コミュニケーションスキル:チーム内でのスムーズなコミュニケーションができるスキル。フロントエンドエンジニアやクライアントとのコミュニケーションをスムーズに行うために必要です。

フルスタックエンジニアの役割とスキル

フルスタックエンジニアの役割は、フロントエンド・バックエンド開発を含むさまざまな専門分野を全て1人で担うことです。

具体的な定義はありませんが、フロントエンド・バックエンドの開発はもちろん、アプリ開発・インフラ/サーバー/ネットワークの構築まで、幅広い業務に携われるエンジニアのことを指します。

幅広いスキルを持っていることから、プロジェクトマネジメントを任されることも多いため、フロントエンド/バックエンドエンジニアに必要なスキルに加え、以下のようなスキルを持っています。

  • アプリ開発:アプリ開発で必要なPHP・JavaScript・Pythonなどの言語やSwift・Android・Java・Kotlinなどの言語のスキル。Webアプリ開発やiOS開発で必要です。
  • インフラ構築・保守:インフラ構築・保守からインフラ障害の原因究明のためのスキル。ネットワーク・サーバー・データベースの管理・構築に必要です。
  • サーバー構築・保守:LinuxやWindows Serversを使ってサーバーの設計や構築をするスキル。サーバーの運用・保守を行うためにも必要です。
  • ネットワーク構築:ネットワークに関する知識や構築のためのスキル。ネットワークの要件定義や設計、ネットワーク機器の接続・設定などで必要です。
  • データベース開発・運用:データベースの要件定義をして設計しデータベースを構築するスキル。セキュリティ・バックアップ・アクセス権限の設定のために必要です。
  • クラウド関連の知識:IaaSやPaaSなどのクラウドサービスの知識や仕様に関する知識。クラウドツールやクラウドサービスの設定をするために必要です。
  • マネジメント・コミュニケーションスキル:さまざまな専門エンジニア業務を行うためのマネジメント・コミュニケーションスキル。さまざまな専門エンジニアの業務を管理して進捗管理をするために必要です。

フロントエンド・バックエンドの開発を行うなら

ここまで、フロントエンドとバックエンドの違いや、エンジニアに求められるスキルを解説してきました。

システム開発を行う際には、特にバックエンドなど、普段ユーザーから見えない部分も作成する必要があります。そのため、お客さまの想定より工数や料金がかかることも多いです。

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