プログラム開発とは?

プログラム開発とは、プログラミング言語を活用してさまざまなシステムやソフトウェアを開発・実装をすることです。
プログラム開発は、さまざまな分野で行われています。しかし、どのような意味なのか具体的に理解している方は多くありません。
ここでは、プログラムの意味やプログラミングとの違いを解説します。
プログラムとプログラミングの違いとは?
プログラムとは、コンピュータが実行する作業のこと。プログラミングとは、そのプログラムを記述することです。
プログラムには、そもそも「計画」「予定」などの意味があります。
例えば体育祭なら、体育祭のプログラムの中で「何時に開会式をする」「何時に徒競走をする」「何時に閉会式をする」など、やるべきことの順番が決められています。
このように、やるべきことを書き出したものが「プログラム」。
それを、JavaScript・Python・Rubyなどの言語で記述することが「プログラミング」です。
プログラム開発・ソフトウェア開発・システム開発の違いとは?
プログラム開発と似た言葉に、ソフトウェア開発・システム開発がありますが、それぞれ以下のような違いがあります。
種類 | 特徴・意味 | 例 |
---|---|---|
プログラム開発 | プログラミング言語を活用した開発のこと | SNSやWebサイトの開発 |
ソフトウェア開発 | ソフトウェアを開発すること | アプリやゲーム、OSの開発 |
システム開発 | 課題解決や業務システムの仕組みを開発すること | 勤怠管理システムやレジシステムの開発 |
言葉の意味を混同させないように、理解しておくことが大切です。
プログラム開発の工程は大きく分けて5つ
プログラム開発を行う際の工程は、大きく分けて5つあります。ここでは、プログラム開発の工程をそれぞれ解説します。
①RFP(提案依頼書)の作成
プログラム開発の最初の工程は、RFP(提案依頼書)の作成です。RFP(提案依頼書)には、主に以下の内容を記載します。
項目 | 記載内容 |
---|---|
システム概要 | 開発目的・解決したい課題・自社の概要・予算・ユーザー |
開発依頼事項 | 機能・運用条件・納品スケジュール・プロジェクト管理方法・開発言語 |
提案手続き | 連絡窓口・提供資料 |
開発条件 | 開発スケジュール・開発場所・使用する機器や資料 |
契約事項 | 支払い条件・保証年数・著作権・機密事項 |
外注先との方向性やイメージが曖昧なままプログラム開発を進めてしまうと、不適切な依頼となったり、イメージと違う成果物が納品されることがあります。
そのため、最初に以上の内容を記載したRFP(提案依頼書)を作成して方向性やイメージを固めることが大切です。
②外注先との契約
続いて、作成したRFP(提案依頼書)を複数の外注先に見積もり依頼して契約します。外注先を選ぶときは、以下の6点を意識しましょう。
- 実績が豊富か
- 得意分野は何か
- 連絡がスムーズにできるか
- 妥当な金額か
- 安定した業績があるか
- 開発後の運用・保守も担当してくれるか
外注先との付き合いは、プログラム開発だけでなくその後の運用・保守時まで長期的に続きます。
そのため、金額や実績だけでなくさまざまな面から検討することが重要です。
③要件定義
要件定義とは、開発前に発注者の要望を整理してまとめる作業のことです。
受注側が発注側に対して、必要な機能・必要な技術・スケジュール・人数・その他の希望などをヒアリングして具体的な内容を決めます。
要件定義は、プログラム開発の工程の中でも重要度が高いので、慎重に打ち合わせを行うことが大切です。
④設計・開発・動作テスト
要件定義が完了したら、受注側が設計書の作成や開発・動作テストを進めていきます。
設計では、発注側と話し合いながら主に以下のような内容の設計書を作成します。
- レイアウト
- データ処理の方法
- 動作テスト方法
- セキュリティ対策方法
- 開発後の運用・保守
開発・動作テストでは、実際に設計書をもとにプログラム開発や制作物の動作テストを行います。動作に問題がなければ完了です。
万が一、問題が発生した場合は原因を特定して修正対応を行います。
⑤リリース・運用保守
問題なく動作が確認できれば、発注者に納品され、その後リリース・運用保守を行います。
納品では、発注者に操作説明やマニュアルの受け渡し、動作確認やサポートを行うことが一般的です。
一方運用保守とは、システムがエラーや誤作動などのトラブルなく動作しているか確認したり、問題発生時に対応したりする業務のことです。
発注者が自社で運用保守を行う場合もありますが、トラブルやエラーに対応するための知識・人材が不足している場合は、外注先に運用保守を依頼することになります。
プログラム開発を外注するときの注意点
プログラム開発の外注で失敗しないためには、いくつかの注意点を知っておくことが大切です。ここでは、プログラム開発を外注するときの注意点を解説します。
開発の目的・要件は明確にする
プログラム開発を外注するときは、開発の目的・要件を明確にすることが大切です。
「どのような課題を解決したいのか」「求めているシステム」などを明確化させていないと、追加の開発や修正が発生する可能性があります。
納期や費用を拡大させないためにも、最初に開発の目的を明確にすることが大切です。
「勤怠管理の抜け漏れを完全に無くしたい」「給与管理システムの操作を自動化させて人件費を30%削減したい」
以上のように目的が明確になっていれば、適切なシステムが納品される可能性が高くなります。
仕様は最初にきちんと固めておく
プログラム開発の外注を行う際は、仕様を最初に固めておくことも大切です。
必要な機能や画面のレイアウトなどを固めておかないと、納得のいくシステムが納品されるまで仕様変更を繰り返すことになってしまいます。
仕様変更を繰り返すと外注先に負担がかかるので、納期が延長されたり、納品物の品質が低下してしまったりするリスクが高いです。
開発が始まってから仕様の変更をしなくて済むよう、打ち合わせの時点で、外注先ときちんと話し合いをすることをおすすめします。
相場より低すぎる予算では外注しない
相場より低すぎる予算で引き受ける外注先には、注意が必要です。
一見お得だと感じてしまいますが、実際には十分な人員で開発を進めてもらえなかったり低品質な納品物を納品されたりするリスクがあります。
結果的に開発の目的・要件を満たすことができず、外注費と時間が無駄になる場合がほとんどです。
外注するときは金額だけでなく、実績や業績、技術なども考慮して判断しましょう。
過度な要求はしない
プログラム開発を外注するときは、過度な要求はしないようにしましょう。
「相場よりも短い納期で、質の高い納品物を要求する」「納期変更の依頼を拒否する」「過度に細かな報告書を要求する」などの過度な要望は、開発の妨げになります。外注先に負担がかかることで、思ったような成果物が納品されないケースも多いです。
どんな業界でもそうですが、プロジェクトというものは、いつでもスケジュール通りに進むとは限りません。納期や予算が変更になるケースもあることを覚えておきましょう。
運用保守の業務もあるので、システムの開発会社とは長いお付き合いになることがほとんどです。お互いに心地よい関係性を築けるようなコミュニケーションを意識したいですね。
外注先とこまめにコミュニケーションをとる
外注先とは、こまめにコミュニケーションをとることが大切です。
外注先に丸投げしてしまうと、開発のイメージや方向性が間違っていたり開発が遅れていたりした場合に気づくことができません。
さらに、対応が遅れたことで、納期や工数が大幅に増加するリスクもあります。
進捗状況の確認をしたり定例会議を開いたりして、お互いに確認をとりながら進めていくことが大切です。
プログラム開発での費用の相場とは?
「プログラム開発って、実際にどのくらい費用がかかるのだろうか?」と気になっている方も多いでしょう。ここからは、プログラム開発での費用の相場を解説します。
人件費と諸経費で開発費が決まる
プログラム開発での費用は、主に人件費と諸経費で決まります。
人件費とは、開発にかかる人員や工数の費用のこと。諸経費とは、開発で必要なパソコン・サーバ・ソフト・ライセンス料などを指します。
プログラム開発の開発費のほとんどは人件費が占めており、諸経費はパソコンやサーバーの種類や機能などによって変動します。
そのため、プログラム開発での費用は開発に関わるプログラマーの人件費によって、大きく変動することが多いです。
人件費は「人数×1ヶ月あたりの単価×開発期間」
プログラム開発にかかる人件費は、「人数×1ヶ月あたりの単価×開発期間」で決まります。
例えば、月単価50万円のプログラマー5人で3ヶ月間の開発を行う場合の人件費は「5人×50万円×3ヶ月=750万円」になります。
ちなみに、プログラム開発の見積もり書には「◯人月」という表記が出てくることが多いです。これは、1ヶ月分の開発に必要な人数のこと。
例えば、ECサイトを開発するために1ヶ月あたり3人のエンジニアが必要な場合は「3人月」になります。
システムの規模や難易度によって開発費や人件費が大きく変わるため、一口に「システム」と言っても値段がかなり変動するのです。
プログラムの種類によっても費用は変わる
開発にかかる費用は、システムの種類によっても変わります。例えば「基幹システム」「業務支援システム」「Webシステム」の費用の差は以下の通りです。
種類 | 目的 | 費用 | 開発費の内訳 |
---|---|---|---|
基幹システム | 停止すると業務がストップしてしまうシステムのこと。 例)会計・生産・人事 | 月10万〜500万円 | ツール導入・カスタマイズ・スクラッチ開発 |
業務支援システム | 主に顧客情報に関係するシステムのこと。 例)顧客情報管理・営業支援 | 5万〜400万円 | ツール導入・カスタマイズ・スクラッチ開発 |
Webシステム | インターネットを通して情報処理を行うシステム 例)ECサイト・予約システム | 50万〜1,000万円以上 | テンプレート・カスタマイズ・デザイン・オーダーメイドの業務に合わせた機能の追加 など |
すでに販売されているツールを導入すれば費用を抑えられますが、自社向けにアレンジしたり0から開発したりすると、その分高額になっていきます。
オフショア開発なら、どのくらい予算を削減できる?
日本でのプログラム開発での費用は決して安くはありません。そのため、外注に踏み切れない企業も多い印象です。
しかし、海外企業に外注する「オフショア開発」なら、日本よりも大幅に予算を削減できます。
外注先 | 人月単価(平均) | 日本との差額(%) |
---|---|---|
首都圏 | 116万円 | ー |
ベトナム | 49.1万円 | -44.6% |
フィリピン | 53.3万円 | -50.6% |
東京都のシステムエンジニアと比較すると45〜50%ほど人件費をカットすることが可能なため、費用面で不安を感じている方は、オフショア開発も含めて一度検討してみてはいかがでしょうか。
参考:
※1 一般社団法人日本ニアショア開発推進機構.” エンジニア単価情報 2024年版レポート”. 2024
※2 オフショア開発ドットコム. “オフショア開発白書2023年版” . 2023
プログラムの「開発」以外にかかる経費
プログラム開発を行う際は、開発そのものだけでなく、サーバーの用意や運用保守など、さまざまな経費がかかります。
ここでは、プログラムの「開発」以外にかかる経費を詳しく説明します。
インフラ関連費用
インフラ関連費用には、主に以下のものがあります。
・サーバー・ネットワーク機器・ストレージなどのハードウェア費用
・OS・ミドルウェア・ライセンスなどのソフトウェア費用
・ ホスティング・クラウドサービス費用
・ネットワーク・通信費用
費用は、それぞれ月々数千円ほど。インフラ関連費用は、開発中だけでなく運用保守にも必要です。
運用保守では、主にトラブルや障害の発生を最小限に抑えるための定期的なメンテナンスやバグ修正、アップデートをしたりします。そのため、安全なシステム運用を行うためにもインフラ関連を整えることは非常に重要なのです。
セキュリティ関連経費
セキュリティ関連経費には、主に以下のものがあります。
・セキュリティ機器・ソフトウェアの費用
・セキュリティ機器の購入レンタル費用
・セキュリティソフトウェアの購入・サブスクリプション費用
・SSL証明書・専用回線・暗号化回線などのネットワークセキュリティ費用
セキュリティ対策を怠ると情報漏洩や不正アクセスによる企業の信用や売上の損失が発生する可能性が高くなるため、セキュリティ対策はとても大切です。
特に重要なSSL証明書の費用は5〜10万円ほど。SSL証明書は、主に送受信するデータを暗号化して通信中のデータが盗聴されるリスクを抑えるという役割があります。
そのため、少し高価ではありますが、正しく対応していただく必要があります。
運用・保守関連経費
運用・保守関連経費には、主に以下のものがあります。
・人件費
・監視・ヘルプデスクツールの費用
・システム保守・アップデートの費用
プログラム開発では、開発が完了したら終了ではなく、その後も運用保守が必要です。
運用保守の費用の目安は、開発コストの15%前後。500万円で開発したシステムなら年額75万円、月に約6.25万円が必要になります。
ドキュメンテーション関連経費
ドキュメンテーション関連経費には、主に以下のものがあります。
・ユーザーマニュアル・システム関連文書の作成費用
・ドキュメント管理ツール費用
ドキュメンテーションとは、作成したシステムに関する情報を収集し、文書として記録すること。これによって、受注側と発注側の相違を減らしたり、業務の引き継ぎをスムーズにしたりできます。
教育・トレーニング関連経費
教育・トレーニング関連経費には、主に以下のものがあります。
・ユーザー向けトレーニングの費用
開発されたシステムやアプリを利用するためには、ある程度の知識が必要です。そのため、システムによっては、ユーザーに心地よく利用してもらうために、トレーニングを行うこともあります。
ユーザーへのトレーニングが十分に行われていれば、より利便性や機能性を実感してもらえる確率が高いでしょう。せっかく制作したシステムの満足度を向上させるためにも、教育・トレーニングが必要なのです。
コストを抑えてプログラム開発をするなら、海外に外注してみませんか?
「プログラム開発を外注したいけど、費用が高く予算が厳しい」と感じている企業は、意外とたくさんあります。
さらに、国内では労働人口が減少していることもあり、開発したくても十分な人的リソースを確保できないケースも。安さ・納期の速さ・日本にない技術などをお求めなら、オフショア開発がおすすめです。
弊社BLUEWIND ASIAは、フィリピンのセブ島でオフショア開発の支援を行っております。
時差が小さいのでリアルタイムでのコミュニケーションを取りやすいほか、必ず窓口に日本人の担当者を配置しますので、オフショア開発においてネックになる言語・文化の障壁なく、スムーズにプロジェクトを進行できると好評をいただいております。
日本の大手企業さまとのお取引実績もすでに50件以上。実績面・技術面でも安心をお届けすることができるかと考えております。
「自社の体制にオフショア開発は向いているか?」「予算や納期の目安は?」など、小さなことからでも構いません。
日本人スタッフが丁寧にお話しを伺いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。